世間では、まだ「筋トレをするとムキムキになるから嫌だ」「スクワットをすると脚が太くなる」という間違った情報が流れています。
たしかに筋トレをすることでムキムキになれるかもしれません。
ですが、それはボディビルダーのような肉体的、精神的にもすごく追い込むような筋トレをしないとムキムキになることはできません。
私はボディビルダーが集うジムでの指導経験もありますし、実際に大会での優勝経験のあるボディビルダーの方とトレーニングを1年間半ほど取り組んだことがあります。
ボディビルダーの方達は、ほぼ毎日筋トレをしています。
大会にむけてほぼ毎日、筋トレをするのですが毎日全身を鍛えているわけではありません。
例えば
月曜日 胸と背中のトレーニング
火曜日 腹筋と脚のトレーニング
水曜日 腕の表(力こぶ)と二の腕のトレーニング
木曜日 ふくらはぎと肩のトレーニング
金曜日 胸と背中のトレーニング
など。
人によっては組み合わせが全然ちがうのですが、このようにして身体の部位別にわけて日々トレーニングをしている方が多いと私は感じました。
このように鍛える部位を分けることで、よりその部位に集中して取り組むことができますし、2~3日間休みを与えることで超回復(ちょうかいふく)により筋肉はより作られていきます。
休みを与えていかないと、筋肉は傷ついたままの状態で常に疲労して修復されることがないのです。
これは私たちの身体でもよくあることです。
一つの例ですが、怪我をしてできたかさぶたを、扱えば扱うほど治りは遅くなりますよね。
反対に塗り薬などを塗って安静にしていれば、治りは早くなると思います。
筋肉も一緒です。
筋肉の修復には、約24時間~48時間要すると言われています。
休息をとることで、傷ついた筋肉が修復し、以前より強く大きくなろうとします。
トレーニングを始めた頃、10キロのバーでスクワットをやって翌日筋肉痛がきて身体が痛いと感じていたのに、2~3日空けてまた同じ重さでスクワットをやったのに、翌日には以前ほど筋肉痛がこなかった。など。
このような経験したことがあるのではないでしょうか。
筋肉は一定の負荷を同じ期間与え続けていると、その負荷に慣れてしまい修復の作業をサボってしまうのです。
あなたは、ボディビルダーになりたいわけではないと思いますが、筋トレをしボディメイクをしていくためには負荷をあげていく事、休息が必要なのです。
もちろん栄養、睡眠もです。
『なぜ筋トレをしないと脚は太くなり、お尻は垂れる??』
ボディビルダーは、大会に出るために身体を大きくしたり、筋肉にラインを出すために全身を鍛えていきます。
マシンを使ったトレーニングもバーベル・ダンベルを使ったトレーニングもします。
ボディビルダーは身体を大きくするため、筋肉を太くするために筋トレをするのに、女性も筋トレをしたら身体が大きく、太くなるのでは?と矛盾が生まれると思います。
ですが、これは私は違うと考えています。
女性らしいスラッと美しいラインになるための筋トレがあり、特に女性にとって筋トレは不可欠と考えています。
目的によってどんなトレーニングをするかで結果は変わってきます。
なぜか?
それは、日ごろの重心位置にあります。
私たちは日々重力に逆らい身体を動かし、姿勢を保っていますよね?
その重力に唯一対抗できるのが、骨を支えている「筋肉」なのです。
重心の位置が踵にありすぎて、背骨が曲がり、腰も丸まると綺麗な姿勢ではありませんよね。
ヒールを履いた時に、膝が曲がり、太ももの張りが出てしまうことがありませんか?
重心の位置が前に行き過ぎたり、後ろに行き過ぎると、体の中心にある「骨盤」も後ろに傾いてしまいます。
左の写真は骨盤が後ろに傾き、お尻が垂れ、バストの位置も下がり、頭は前に出ています。
骨盤が後ろに傾き、腰が丸まることによって「太ももの前」を常日頃から使いやすくなり、筋トレでも「太ももの前」を使いすぎの状態になってしまいます。
実際に背中、腰を丸めて歩くのと腰骨を起こしお尻のしっぽをキュッと立たせたまま歩くのでは脚の使い方が全然違います。
正しい骨盤、背骨の位置をキープするには筋力が必要です。
ですが私たちの身体は、年齢と共に筋肉量が低下していきます。
『どのくらい落ちるのかというと?』
30代と40代の成人は1年間で約0.2キロ低下すると言われています。
また50代を超えると1年間に約0.45キロ程度です。
10年間トレーニングしなければ、約2キロも筋肉を失うのです。
日本のトップビルダー(男性)が歯を食いしばり1年間トレーニングしても約2キロ得るには簡単ではないのそうです。
筋トレをたくさん行っている男性でさえ筋肉をつけるのが難しいのですから、男性に比べ男性ホルモン(成長ホルモン)が少ない女性は更に難しいのです。
男性ホルモンですが、女性の身体にもホルモンとしてあります。
女性は男性に比べテストステロンの分泌が5~10パーセントです。
男性に比べテストステロンの分泌が少ない女性は、ムキムキになるのは難しいです。
女性は男性に比べ骨も弱りやすく、筋肉がつきにくい身体なのです。
骨を支えているのは、筋肉です。
この筋肉が落ちることは、背骨が丸まり常に腰が曲がっている状態になっていきます。
より一層「太ももの前の使いすぎ」の状態になってしまいます。
これが「筋トレをしないと脚が太くなり、お尻が垂れる」大きな要因です。
なので姿勢を正しあなたが理想とする脚、お尻になるためには筋トレが必要なのです。
ジムで座った状態で行うレッグプレスやレッグエクステンションをやっても一向に脚は変わってきません。
身体の幹となる背骨の周りについている姿勢筋(背中、お腹のインナーマッスル)を刺激し、骨盤を正常な位置にし、筋トレを行うことで「太ももの前の使いすぎ」をなくすことができ、あなたが気になるお尻の下、太ももの内側を立った状態で行う筋トレが美脚・美尻への近道なのです。
『美脚・美尻になるためのステップ』
1.ストレッチ
いつも使っている筋肉の負担を減らすために、筋肉をほぐしたり伸ばしたりすることであなたの骨格にあった正しい関節の位置を調整していきます。
私が行っているストレッチは止まった状態でゆっくり伸ばすストレッチではありません。
トレーニング前に止まった状態で行うストレッチは、筋肉の力を出す力を下げてしまいます。
受動的に行うストレッチだからです。
私が行っているストレッチは、お客様ご自身の力で反動を使いながら大きく身体を大きく動かして行い、身体を暖め、関節の可動域を広げるストレッチです。
トレーニング前にはこのようなストレッチがお勧めです。
実際に行っているストレッチ動画です。
2.足の指のトレーニング
身体の幹となる体幹部分を鍛える前に、人間の土台となる「足」へのトレーニングを実施します。
土台となる部分が崩れていては、いくら頑張ってトレーニングをしても効果は出てきません。
積み木を連想して頂くとわかりやすいと思います。
土台となる下の部分が崩れていると、上にある積み木が倒れないようにグラグラしながらその状態を保とうとしますよね。
それが身体でも起こっているのです。
身体を支えている土台となる「足」へのトレーニングをすることで、重心の位置が変わり正しい姿勢へと導かれていきます。
3.体幹トレーニング
身体の土台を整えたあとは、その整った姿勢を保つために背骨や骨盤を支えているお腹、背中周り、お尻、脚の付け根のインナーマッスルを鍛えていきます。
体幹が安定することに、より正しい姿勢をキープすることができます。
また正しい姿勢になることで、人間本来の関節の動きがスムーズになり効果的に下半身を引き締めることができます。
4.バーベル・ダンベルを使った筋力トレーニング
足、体幹でのトレーニングで土台、身体の中心を鍛えたあとに正しい姿勢を身体に覚え込ませ、維持するためには立った状態で重力に対抗するためのバーベルやダンベルを使った筋トレが必要になります。
いくら体幹トレーニングをしても姿勢がよくならないのは、重力に対する負荷に身体が耐え切れなくなるからです。
先ほどお伝えしたように筋肉には、継続的に上げていき負荷を与え続け、成長させていくことが大切なのです。
筋トレをすると太くなるのではなく、目的にあった筋トレを選択することで太くなることはなく脚、お尻は引き締まりあなたは今よりもっと女性らしい身体を手に入れることができるのです。